【 雑木林のパンやさん】 物語

雑木林のパンやさんは、火曜日と木曜日は14年間、土曜日のみは3年間営業していました。17年間、たくさんのお客様に来ていただき、2008年6月末に閉店しました。

ウクライナ民話 『てぶくろ』 福音館書店発行

 

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*おじいさんが もりを あるいていきました。

 こいぬが あとから ついていきました。 おじいさんは

 あるいているうちに、 てぶくろを かたほう おとして、

 そのまま いってしまいました。

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*すると ねずみが かけてきて、 てぶくろに

もぐりこんで いいました。

「ここで くらすことに するわ」

 

*********

*そこへ かえるが ぴょんぴょん はねてきました。

 「だれ、てぶくろに すんでいるのは?」

 「くいしんぼねずみ。あなたは?」

 「ぴょんぴょんがえるよ。わたしも いれて」

 「どうぞ」

 

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*ほら、 もう 二ひきに なりました。

 

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*うさぎが はしってきました。

 「だれだい、てぶくろに すんでいるのは?」

 「くいしんぼねずみと  ぴょんぴょんがえる。 あなたは?」

 「はやあしうさぎさ。ぼくも 入れてよ」

 「どうぞ」

 

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*もう 三匹に なりました。

きつねが やってきました。

「どなた、てぶくろに すんでいるのは?」

 

*********

 

*「くいしんぼねずみと ぴょんぴょんがえると 

 はやあしうさぎ。あなたは?」

 「おしゃれぎつねよ。わたしも いれて」

 

*********

 

*もう これで 四匹に なりました。

おや おおかみが きました。

「だれだ、 てぶくろに すんでいるのは?」

 

*********

 

*「くいしんぼねずみとぴょんぴょんがえると はや あしうさぎと

 おしゃれぎつね。 あなたは?」

 「はいいろおおかみだ。 おれもいれてくれ」

 「まあ いいでしょう」

 

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*もう これで 五匹に なりました。

 いのししが やってきました。

 「ふるん ふるん ふるん。

 だれだね、てぶくろに すんでいるのは?」

 「くいしんぼねずみと ぴょんぴょんがえると  はやあしうさぎと

 

*********

 

*おしゃれぎつねと はいいろおおかみ。 あなたは?」

 「きばもちいのししだよ。わたしも いれてくれ」

 さあ  こまりました。  「ちょっと むりじゃないですか」

 「いや、どうしても はいってみせる」

 「それじゃ どうぞ」

 

*********

 

*もう これで 六ぴきです。 てぶくろは ぎゅうぎゅうづめです。

 そのとき、きのえだが ぱきぱき おれるおとがして、

 くまが やってきました。

 「だれだ、てぶくろに すんでいるのは?」

 「くいしんぼねずみと ぴょんぴょんがえると はやあしうさぎと

 

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 おしゃれぎつねと はいいろおおかみと きばもちいのしし。あなたは?」

 「うおー うおー。のっそりぐまだ。 わしも いれてくれ」

 「とんでもない。 まんいんです」

 「いや、 どうしても はいるよ」 

 「しかたがない。 でも、 ほんの はじっこにしてくださいよ」

 これで 七匹に なりました。てぶくろは いまにも はじけそうです。

 

 

********* 

 

 *さて、もりを あるいていた おじいさんは てぶくろが

かたほうないのに きがつきました。 さっそく さがしに

もどりました。 こいぬが さきに かけていきました。 どんどん

かけていくと、 てぶくろが おちていました。

 てぶくろは むくむく うごいています。

こいぬは 「わん、わん、わん」とほえたてました。

 みんなは びっくりして てぶくろから はいだすと、

もりの あちこちへ にげていきました。 そこへ おじいさんが

やってきて てぶくろを ひろいました。

 

   *この絵本は寒くなると雑木林文庫からパンやの棚に移して、立て掛けて

    いました。

   ⁂ウクライナの人達は、この物語を読んで・・・読んでもらって・・・

   語ってもらって・・・大きくなったのでしょうね。

   今の この現実が辛いです。