【 雑木林のパンやさん】 物語

雑木林のパンやさんは、火曜日と木曜日は14年間、土曜日のみは3年間営業していました。17年間、たくさんのお客様に来ていただき、2008年6月末に閉店しました。

能登半島地震の後【始まりの木】を読むことができて良かった・・・その 1

    

 これからは 民俗学の出番

   昔 この国の人たちは 美しいとはどういうことか 正しいとは何を意味するのか

そういうことを しっかり知っていた。

 

⁂ この本を読みたいと思ったのは 1月11日のつるひめさんのブログからの始まり

  でした。

  図書館へ行き予約をお願いして 間もなく よんばばさんのブログに

  精神が浄化されるような【始まりの木】というタイトルで書かれていました。

  お二人から伝わってくるのは 今 大切にしなければならないのは【民俗学

  民俗学のことは なんとなーくしか知りません。

  マー君も一緒に遠野へも行き「遠野昔話資料館」へも行きながら・・・です。

  そんな私が読みたいと思ったのです。

  一週間ほど前に読み終えました。

  ホント 読んでよかったです。

     この本を読んでから遠野へ行きたかった・・

     ーそれは無理ですねーこの本は 2020年初版発行です―

 

  ブログを書こうと思うのですが~~お二人の紹介文だけで充分です。

  私が書き添えることなどありません。

 

  そんな時 つるひめさんのコメントを思い出しました。

  「私が泣けた 鞍馬での箇所 マー君ママさんなら より一層心に響くのでは と

   思います。」という コメントをいただき・・・

   答えるように   書けるかもしれないと・・・

 

  先ずは簡単に・・・二人の紹介

古屋神寺郎は 学会でも高名な民俗学者

       変わり者であっても 院生には確実に修士を与える有能な准教授

 

藤崎千佳は  大学院に進学

       高校生の頃に読んだ 柳田國男遠野物語に感動したから・・・

       それだけではないのですが・・・やっぱり不思議なご縁で

       古屋先生の研究室へ・・・

そんな古屋神寺郎は口先だけの学者ではない。しつようとあれば、日本中どこでも

出かけていく。どれほど足が悪くても、階段を登るのにさえ苦労する身であっても

彼は歩く学者です。

 

古屋はしばしば突然、この快活な女学生に「藤崎 旅の準備をしたまえ」と

千佳と古屋の旅は いつもそうして始まる。

 

    第二話 【 七色 】

 

 藤崎千佳は、物静かな路地裏の石段に腰をかけたまま、辺りの古景に身をゆだねて

いる。

ここは 岩倉です。

学会の主催者でもある 南西大学の教授から「古屋先生には講演を引き受けて頂いて

感謝していますよ」

と言われた その後で「ああ、古屋くん」

いつのまにか「君」呼ばわり・・・

「ああいう連中を相手に講演するほど無意味なことはない。最初から揚げ足をとること

しか考えていない。右と言えば左、馬と言えば鹿と言うに決まっている」

「馬鹿ということですか」

「そうだ。間違いなく君より馬鹿だ」

そんな こんな会話 と言うよりも 古屋は千佳に怒りをぶつけるも・・・

千佳は「全然納得できないんですけど・・・」

「不毛な講演だ。やる気がなくなった」

ふいに投げ捨てるような口調で言う。

千佳は「気持ちはわかりますけど 講演に行かないなんて・・・」

とりあえず押しとどめようと口を開いた千佳の目に入ったのは、古屋のすぐ背後から

ふらりと姿を見せた瘦せた人影だった。

「あっ」と千佳が叫ぶのと、古屋と人影が衝突するのが同時だった。

 

「すみませんでした」

道端でひたすら頭を下げて謝ったのは、一人の青年です。

年齢は二十歳前後 血の気のない顔色で紺の毛糸帽をかぶつている。

なにより二人の目を引いたのは、青年が両脇に抱えている松葉杖だ。

「本当にすみませんでした。」

とりあえずステッキを探して路上に手を伸ばし、なんとか立ち上がった古屋が、

「大丈夫だ」と答えたのは、彼にしては上出来の応答。

「君が転んで誰かにぶつかるのは自由だが、どうせなら、杖をついていない奴に

ぶつかってくれないか」

千佳は「先生 またそうやって訳のわからないことを・・・」

慌てて止めに入る千佳の前で、青年はもう一度丁寧に頭をさげた。

千佳が戸惑ったのは足元に白い布で包んだ大きな板状の荷物をみつけたからである。

こんなものを抱えて松葉杖をついていれば、まともに歩けるはずもない。

千佳が口を開いた。

「大丈夫?」

「大丈夫です。すみません」

答える合間に かすれた咳を繰り返している。まるっきり病人の所作。

「もし一人で大変なら、私たちが送ってあげるけど・・・。そんなに遠いところでなければ」

「藤崎、講演に遅れるなと言っているそばから、道草を食うつもりかね?」

「まだ午後1時です。 時間はあります。」

「彼には二本も杖がある。私は一本だけだ。どちらが歩くのに、よりバランスをかくか

君はわからんようだな」

「バランスを欠いているのは、先生の言動の方だとおもいます」

さすがの古屋も沈黙

そんなやり取りを見て、青年は小さく微笑を~

「なにか変?」

「いえ、なんだかとても仲がよさそうなお二人だと・・・」

「君は足だけでなく目と耳も悪いようだな。それでぶつかっても仕方ない」

「先生ー」

「ごめんなさい、こういう人なの。気にしないで」

「気になんかなりません。なんだかこんなにあけっぴろげに言われると気持ちがいい

くらいです。」

青年は本当に楽しげな笑みを浮かべている。

「どこへ行くつもりなの?」

「鞍馬まで」

「鞍馬?」とさすがに千佳は当惑する。

 

       そのまま書き写すのではなく 要約したつもりですが・・・

       続きは近いうちに・・・載せます

 

 

 

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