【 雑木林のパンやさん】 物語

雑木林のパンやさんは、火曜日と木曜日は14年間、土曜日のみは3年間営業していました。17年間、たくさんのお客様に来ていただき、2008年6月末に閉店しました。

25年前の夏にカナダ旅行・・・その年の暮れに大きなクリスマスカードが届きました。

 25年前の夏はカナダ旅行で、お世話になった

人達へのお礼の手紙を書きながら・・・ 

マー君と一緒に想い出を辿りながら・・・

カナダの思い出から抜け切れない日常を過ごしていました。

8月は雑木林のパンやさんは夏休みなので、

そんな 日常が許されたのです。

メープル観光へもお礼状を書き posutoinn・・・

その年の12月に大きなクリスマスカードが届いたのです。

『62センチ×23センチ』の大きさです。

その時の驚きと嬉しさは、今も色鮮やかに想い出すことが

できます。「郵便配達のお兄さんの様子も・・・」

 このカードを読みながら、また、行きたいねーと言っていたのですが

行くことはできませんでした。

 

このカードと共に手紙が同封されていました。

その手紙は 今読んでも心うたれます。

私達のことは 褒めすぎですが・・・

カナダは住みやすい国だと よく耳にしますが・・・                   *********** 州民の声を無視すると進歩的な政党に政権から引き摺り

下ろされる事は間違いないでしょう******と・・・日本は❓と思いながら

そのまんまに・・・

25年後の今もおんなじことを思っている私がいます。

 

 チョット読みずらいので書き写します。

 

 

  大谷守様、 大谷章子様、大谷征治様

 

前略

章子様の心暖まるお手紙を頂戴致しました。有難うございました。

 

守さんをこれほどまでに励まし、全身全霊で育ててこられたご両親に会えたことは、大

変光栄なことでした。純粋な愛情を行動で忠実に実行する事はなかなか大変なことだと

思います。また、日本の福祉の現状ではいささかご苦労がおおいかとおもわれます。

それにも負けず一生懸命頑張っている方々との出会いに、心うたれました。

 

ご存知のように、カナダは日本に比べて社会福祉は進んでいますが、その背景には様々

な問題も有ります。ここカナダのオンタリオ州では1990年以来いまだに大不景気が

続いています。カナダ連邦政府も各州政府も最近まで赤字予算解消だけを集中的に政策

を行っており、立派だった福祉制度は長い間その「犠牲」となってきておりましたが、

最近のアンケートでは福祉面を復活させようという声が州民、国民の間に強く起きてき

ており、オンタリオ州の現保守党政府も 2年後には総選挙を控えており、この州民の

声を無視すると進歩的な政党に政権から引き摺り降ろされることになる事は間違いない

でしょう。

このようにカナダではmultiーpartysystemと言って2政党以上が政権を握る可能性があ

り、州民、国民の声を聞かない政党は政治生命が持続しません。

1950年代ではわずか4パーセントぐらいしか新移民者「イギリス・フランス系以外

がいなかったのが 今では48パーセントになり進歩的な移民者に差別の無い政治方針

を要求する政治となり、更に女性が加わりご存知のように一番の政治勢力となった

おかげで外国人の私どもでもカナダは非常に住みやすい国に生まれ変わりました。

カナダは歴史の短い国ですが、州民、国民の声が政治に大きく反映されます。

私が思うに、いつの時も女性の力は、弱い者の心を強める者として、そしてそれぞれの

国の歴史と共に精力的に政治を変えていくと確信しています。

 

遅くなりましたが、クリスマスカードを送らせて頂きました。

どうぞ皆様におかれましては、心豊かな年になります様 遠地よりお祈りしておりま

す。

                                  草々

                               1998年

                               朝比奈 潤

 

 

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